「ねこのす」>「バイクの巣」>XTZ125「ねこちやづけ」の部屋>(現在の位置) クラッチが気になるA
作成2007年6月 最終更新2010年08月16日
お知らせ: 現時点でのクラッチ周りの最新ページは ⇒クラッチ周りの(たぶん)最終回 です。
前回のクラッチ周り整備の失敗(不奏功)を受け、遅まきながら情報収集に走る。
ネットが使える便利な世の中でホントに良かった。 ネットやコンピューターの開発者、情報提供者に感謝。
→文左衛門の八割ヒマダネ様 にはクラッチ周りについて、マニュアル等の整備情報もあり、感謝しつつ一通り確認しておく。 この中でアジャストスクリューの調整については、
@「クラッチが切れてからも完全に押し切る」と
A「遊びがなくなるまで押す」
の二通りが考えられた。(この辺は情報元でも記載されている。)
日本語のTT-R125マニュアルを素直に読むと@が正解だと思われるが、@の場合、それからクラッチが繋がる(=クラッチレバーが戻る=プッシュレバーが戻る)と、クラッチワイヤーの届かないような位置にプッシュレバーが位置してしまうと考えられたので、Aの可能性があることも考慮しておく。(ちなみに作業開始前の状態では、情報元と全く同様にクラッチレバーを握らない状態で、プッシュレバーの突起とクランクケースの切り欠き部分が合致していた。)
余談
XTZ125のクラッチ周り整備には、基本的にエンジンオイルを抜く必要がある。(同じヤマハ製でもV-maxはエンジンオイル抜かなくてもクラッチ周りが整備可能。 XTZ125でも左側に車体を倒しておけばエンジンオイルを抜かなくても良いようだが、車体の保持が困難な事、林道やコースで転倒したならともかく、整備中の事故でキズをつけるのは嫌なので、)次回オイル交換の機会に合わせ再度クラッチ周りの整備を実施することとする。
とりあえず次のオイル交換時期まではネットでの情報収集活動に励む。
第2回目のクラッチ周り整備の方針としては、
の2点を主眼に置くこととする。
というわけで、予定よりちょっと早いが、前回クラッチ周り整備してから2千キロメートル走行しないうちに再度クラッチ周り整備に挑戦。
前回と同様に準備して、
今回もクラッチ周りとこんにちは。
前回同様にバラしていく。
今回は、当初方針どおりフリクションプレートと、クラッチプレートのバリを削ってみた。
#1000の耐水ペーパーにオイルを付けて削る。
フリクションプレートは8突起×5枚×前後2箇所の80箇所。
クラッチプレートは23突起×4枚×前後2箇所の184箇所。
せっせとバリや荒れが無くなるよう削る削る。
思っていたよりも凹凸は深く、正直最初から紙やすりで作業するよりも、先に棒やすり等で荒削りしてから紙やすりで仕上げれば良かったと後悔。
あまりの作業量の多さにやっぱり文明の利器の力も借りる。 返さないけど。
さすがに手作業とは作業の進行度が大きく違う。リューターの発明者に感謝。
最後の仕上げは心を込めて紙やすりでならしていく。
バリ取り作業後には、研磨材や金属粉を慎重に洗い流す。
金属部分を削ることができるような研磨剤がエンジン内に入ったら良くなさそう。
そんなこんなで元通りに戻す。 前回は元の順番、元の角度というように戻していったが、今回は文左衛門の八割ヒマダネ様から情報を仕入れていたので、
矢印と三角マークを意識して合わせて組んでみた。 当然前回も合ってたはずだけど。
スプリングまで組んで、クラッチレバーを握ってみると・・・
なんとスカスカになっていた。 全くプレッシャープレートが動かない。 つまりはクラッチが切れない。
プッシュロッド内のボールをオイル受けの中に落としていたようだ。
実は当初ボールを落とした事に気づかず、そのまま組みなおしてクラッチが切れないという非常事態が発生して大騒ぎしたが、そんなことは機密事項である。
ちなみに落としたボールは、オイル受け(皿)ではなく、廃油を入れる缶にまで行っていた。
数ミリ径のスチールボールがオイル受け(皿)に落ちていれば、廃油缶に廃油を捨てる際に気が付きそうなものだが、こんなサイズの異物ですら発見できなかったということで、管理人の注意力の散漫さについて再確認するとともに、廃油を捨てる際にも異物の確認をしっかりしなければならないと反省。
ちなみにエンジン下回りの清掃もせずにエンジンオイルを抜いてしまったため、エンジン下部に付着していた小石やホコリがオイル受けの中に落ちてしまい、確かにオイルの中にざらざら動くものがあったが気に留めなかったという事も思い出した。(苦しいいいわけ。)
良い子の皆さんはこういう失敗をしないようにしっかり清掃してから整備するように。
参考情報その1
矢印と三角マークを合わせずに組み付けするとどうなるか?
わざとずらして組んで比較してみる。 良い子はマネしないように。
ちなみに管理人は当初この「誤組立」がクラッチ不調の原因ではないかと疑っていたので、念のため確認したかった。
こちらは正しく組んだ状態。プレッシャープレートと一番外側のフリクションプレートが接触している。
こちらは、わざと90度ずらして組んだ状態。
プレッシャープレートと一番外側のフリクションプレートが接触していない。
いちおうこの状態でクラッチレバーを握ってもすかすかで手ごたえが無いのは確認した。
さすがにこの状態では、走行不能であり、出荷前の検査にひっかかるだろうし、今までの使用状況を考えると、この「誤組立」の可能性は限りなく0に近い。
都合の良いところだけ疑い深い管理人は180度、270度ずらした場合も同様である事を確認したのは言うまでも無い。
参考情報その2
プレッシャープレートのプッシュロッド奥にあるボールが無いとどうなるか?
組み付け忘れたついでに確認してみた。 管理人の失敗を見て教訓とし、良い子はマネしないように。
マニュアルを参考に、アジャストスクリューの調整を行って・・・
ボールが正しく入った状態のアジャストスクリュー。
ボールを入れ忘れた状態で調整したアジャストスクリュー。
ロックナットよりも中央のスクリュー部分が凹んでしまっている。
単純に考えれば、入れ忘れたボールの直径分、上の写真から写真奥方向にずれているはず。
クラッチ周り整備後、アジャストした結果がこんな状態になったらボールの入れ忘れを疑ってみるように。(普通の人は当然疑う。)
結果報告
いろいろ脱線したが、走行可能な状態まで組みなおし、エンジンオイルを注入して試運転。
その結果は?
・・・
・・・・?
クラッチゴリゴリは見事に解消。
今まで悩んできた異音とタッチの悪さが消えて、正直「ねこちやづけ」じゃないみたい。 これが普通のバイクのクラッチなんだけど。
これまで、オイルの相性・クラッチプレートの不良・プレッシャースプリングの異常などいろいろな原因を疑ってきたけれども、意外とあっさり解決して拍子抜け。
管理人的には、クラッチプレートとフリクションプレートの「バリ取り」が効いたと思う。
あまりの嬉しさの為、他のXTZ125でクラッチ異音に悩まされている人のクラッチ整備も実施したくなる。
なお、今回併せて実施したクラッチアジャストスクリューの調整については、ボールを落としさえしなければ調整する必要が無かったかとも思われる。
とりあえず、今回はクラッチガリガリが解消したのでひとまず作業終了とする。
露天駐機中のねこまんま級部隊
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