XTZ125 「ねこちやづけ」
フロントホイールをDT125R(3FW)用に換装してみた。

「ねこのす」「バイクの巣」XTZ125「ねこちやづけ」の部屋>(現在の位置) DT125R(3FW)用のフロントホイールに換装してみた
記事内容2008年01月   最終更新2010年08月04日

 先の「セロー225W用のフロントホイールを移植してみた」 でもあげたように、XTZ125は他車と互換性を持つ部品が多数ある。
 完全専用設計ができるようなジャンルの車種ではないので、同じような部品がいろいろなところで使われているのはあたりまえといえばあたりまえなのだが、XTZ125乗りとしては「他車のどんな部品が活用できるのか探す」楽しみが与えられている事に感謝しなければならないだろう。
 XTZ125は、他車の部品を流用することで部品入手が容易になるだけでなく、流用部品を使うことがグレードアップになってしまう場合が多い。 元々付いている部品が安っぽいからなどどいった冷めた見方はこの際横に置いといて、XTZ125乗りに与えられた幸せをありがたく享受しよう。

 TT-R125系エンジン搭載車(XTZ125 YBR125)まとめ@ 内の フロントホイールハブ比較表 で紹介されているように、XTZ125と互換性が確認されているセロー225WとDT125Rのフロントホイールハブの部品番号("34X-25111-02-35")は同じである。
 (ちなみにXTZ125のフロントホイールハブの部品番号は "4AN-F5111-10-35"である。 前回の結果から"34X-25111-02-35"のブラジル生産版的な位置付けであろうと勝手に推測。)

 前回セロー225Wとフロントホイール交換を実作業で確認したので、
@XTZ125とセロー225Wのフロントホイールは互換性がある。
 ↓
Aセロー225WとDT125Rのフロントホイールハブは部品番号が同じである。
 ↓
BXTZ125とDT125Rのフロントホイールは互換性がある。
 といった推測が成り立ちそうである。

 実際にはブレーキディスクの径や、アクスルの径などといった細かな相違点があって、ハブ単体で部品が同じでも、セロー225Wの時のように「そのまま」(一般に言う「ポン付け」)とは行かない場合も多いのだが。

 ここまではネットの情報収集等と推測で話が進んで来たのだが、本当にDT125R用のフロントホイールが付くかどうかは、実際に装着してみなければ分からない。
 実際にDT125R用フロントホイールがXTZ125に装着可能であると確認したところで、一体何人の人がこの情報を活用できるのか不安なところがあるが、誰かが調べればそのうち役に立つ時が来るかもしれない。

 ここで幸いなことにねこのすにはDT125R(3FW6)が配備されている。
 セロー225よりも強力なエンジンと車体の軽さ。 クロスコースでも市販車としては十分走行可能な足回り。 原付二種甲の維持費の安さと燃費も良好。 しかもヘッドライトは明るく、荷物を載せることが容易な大型キャリアまで付いている。 トドメにキックのみならずセルまで付いた、オフロード走行からツーリングまで何でも来いの万能マシンである。

 高速道路に乗らずに通勤したり、林道へ遊びに行ったりという使用状況の人には良い相棒となってくれるだろう。
 残念ながらねこのす内では、通勤専用XTZ125「ねこちやづけ」と、林道専用CRM250AR「ねこまつしぐら」の間で微妙な立場に置かれているが。

 で、今回の作業開始に向けて状況の確認。

 DT125R(3FW6)のフロントホイールハブまわり。


 こちらが、XTZ125のフロントホイールハブまわり。
 ぱっと見たところハブとブレーキディスクは同じように見える。(下の追記参照)
アクスルシャフトの固定方式が違うのは、DTの方がより強度を要求されているためだろうと勝手に解釈。
ブレーキキャリパーの違いは特に問題なさそう。
 ただ、スピードメーター用のギアがDT125R(ブレーキディスクと反対側に付く)と、XTZ125(ブレーキディスク側に付く)で異なっているのが気になった。


 気にはなっても作業開始。 セローと部品番号が同じであるので、何とかなるだろうと判断。
 「部品番号が同じ」 という情報だけではなく、 「実際に装着可能だった」 という情報が欲しいのだ。


 DT125R(3FW6)のアクスル径確認。 これはXTZ125と同じく約14.9ミリ。


 ブレーキディスク側の比較。 左側DT125R(3FW6) ・ 右側XTZ125
 はっきり言ってほとんど同じに見える。(同じく下の追記参照)


 ブレーキディスク側のベアリング周りを拡大して比較。 左側DT125R(3FW6) ・ 右側XTZ125
 DT125R(3FW6)はスピードメーターギアボックスが反対側に付くため、オイルシールが装着されているのに対し、XTZ125のスピードメーターギアボックスがこちら側につくので、オイルシールが装着されず、グリースの中にベアリングが見える。


  ブレーキディスクと反対側の比較。 左側DT125R(3FW6) ・ 右側XTZ125
 DT125R(3FW6)はスピードメーターギアボックスがこちら側に付くため、オイルシールが装着されていないのに対し、XTZ125はオイルシールが装着されている。


 とりあえず、XTZ125にDT125R(3FW6)のホイールを装着してみる。
 オイルシールについては、XTZ125(2005年式)が"93102-20827"であり、DT125R(3FW6)とセロー225Wは共に "93102-20281" で同じだった。 XTZ125とセロー225Wのハブ自体についての互換性は前回確認済みなので、おそらく"93102-20281"と"93102-20827"は互換性があるのだろう。
 ということで、オイルシールを左右入れ替えて装着すれば良いと思われたが、今回はそのままホイール換装してみた。 おかげでカラーの保持ができず、ホイールをセットしてアクスルシャフトを差し込む際にカラーがすぐに落ちてしまい作業が面倒だった。 良い子は手間を惜しまずシールを調達して換装しておくのが得策だろう。

 無事DT125R(3FW)用のフロントホイールが装着できた。

 「TT-R125系エンジン搭載車(XTZ125 YBR125)まとめ@ウィキ」 の編集者をはじめ各情報提供者の方々には感謝している。
 今回のつまらない情報が、また新しい情報を生んでくれたらと思う。
 以上で「DT125R(3FW)用のフロントホイールに換装してみた。」を終了する。


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おまけ 参考情報

参考まで、DT125RにもXTZ125用のフロントホイールが装着できたので報告しておく。 画像はディスクもXTZ125用のまま。
(XTZ125用ディスクはDT125R用に比べて半径で5ミリ小径なので、XTZ125用のディスクのまま使用するなら、パッドの最外周部分を削っておく必要がある。 ←パッドが摩擦した際にディスクと接触していないパッド部分が反対側のパッドと接触してしまうと、パッドをディスクに押し付けることができなくなり、ブレーキが効かなくなるおそれがある為。 :下の追記参照)



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2008年1月18日追記

 ひさしぶりに「2ちゃんねる」を見に行ったら
【原二】XTZ125 その9【伯剌西爾製】にて、こんな書き込みを発見。

ねこのすの作者へ
DT125RのブレーキディスクとXTZ125/セロー225のブレーキディスクでは直径が違うぞ。
セローとXTZ125のディスクは220mm
DT125R系は230mm
新型セローは245
ttp://wazaari.net/YAMAHA_DT125R_moto.html
ttp://www.geocities.jp/motorcity6943/technote/break/cariper.htm

 との御指摘いただき感謝。 (はじめて2ちゃんねるで取り上げてもらったのを確認。 関係者以外でも見てくれる人がいるのだと安心した。)
 確かにブレーキディスクの外径(とディスクに開けられたホールの径)は違っている模様。(「TT-R125系エンジン搭載車(XTZ125 YBR125)まとめ@ ウィキ」と、上記のディスク側の比較画像から。)
 @ウィキには、わざわざディスク径が表にされて比較されており、「見た目は似ているが径が直径で十ミリ違う。見分けにくい」 と記載されているにも関わらず気にせず作業するあたり、いかに管理人の目が節穴か判ろうというものだ。

 で、情報提供してもらったサイトを確認すると、2種類のディスクを重ねて撮影してあり、一目で直径の違いが判るようになっておりちょっと感動。
 で、DT125R用のフロントホイールを取り付けた我がXTZ125「ねこちやづけ」の記録画像を再度確認したところ。

 XTZ125にDT125用のホイールを装着したもの。 ブレーキディスクはDT125R用のまま。 メーターワイヤーは取り付けしていない(ギアボックスの固定位置を間違えたままシャフトを通してしまったため。)が、キャリパーは固定済み。

 同じくXTZ125にDT125用のホイールを装着したもの。 アクスルシャフト(XTZ125用)とナットは固定前。

 今回の作業は、「換装が可能かどうか確認する。」のが目的で、作業完了後は試運転して速やかにXTZ125用のホイールに復旧してしまった。 そのため仮組中の画像しか残っておらず申し訳ないが、とりあえず組上げて試運転した際には支障が無かった(ディスクとキャリパー周りが接触しなかった)ことから、XTZ125のブレーキ周りはブレーキディスクが半径で5ミリ程度ならば大径ディスクを許容することが判った。 (個体差はあるかもしれないので他車でも同様かどうかは不明。 @ウィキには「DT125R系や新型セロー系のブレーキディスクは径が違うのでそのままでは装着が出来ない・・・」と書いてある。)

 もっとも今回の場合、ブレーキディスクのプレート自体は(僅かながら)大径化しているが、ブレーキパッドとの接触部の有効半径が増大しているわけではないので、ブレーキ強化等に関しては特に意味が無い。 (わざわざバネ下に無駄な重量を抱えるし、半径で5ミリメートルとはいえキャリパーとの隙間が減少するとディスクが熱で膨張したときに影響が出る(?)可能性があるので、悪い影響があると言った方が良い。)

 ここでハブについては、DT125R用とセロー225W用が同じ部品番号であり、ブレーキディスクについてはXTZ125用とセロー225W用が互換性があることから、DT125R用のホイールにXTZ125用のブレーキディスクは取り付け可能(なはず)である。
 よってXTZ125にDT125R用のフロントホイールを装着する場合、ブレーキディスクはXTZ125用に換装しておくことをお勧めする。


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ひとりごと

DT125Rと「フロントフォークから先」とか「三又から先」等を換装できないかと考え、フォークの径を測ったところXTZ125は約35ミリメートル、DT125Rは約41ミリメートルで、少なくともフォークの交換だけでは済まないことが判明。
三又から先を交換では、http://www.dia.janis.or.jp/~field22j/serow3RW1/Front1.htmのような大掛かりな換装を行えば行けそうか?
そう考えてやってみた ⇒ フロント周りをDT125R(3FW)用に換装しようとしてみた