「ねこのす」>「バイクの巣」>XTZ125「ねこちやづけ」の部屋>(現在の位置) キーと鍵穴について考える
記事内容2007年08月 最終更新2010年08月04日
XTZ125に関するサイトを確認していると、メインキーシリンダーの不調を指摘する情報が目に入る。 どうもXTZ125はメインキーシリンダーの回りが渋くなり易いようだ。
XTZ125は大変すばらしいバイクであることは間違い無いが、いくら素晴らしいバイクでもメインキーが回らなければ一刻を争う通勤運用では使い物にならない。
管理人が知っている限り、他の国内市販車のキーシリンダーには、車種全体の傾向として回りが渋い車種は聞いた事が無い。 回りの渋い車両があったとしても整備状況の悪い個体に症状が見受けられる程度だと思う。
「ねこのす」のXTZ125「ねこちやづけ」については、一般的なXTZ125と同様(?)に残念ながら上記の症状に悩まされていた。
過去形になっているのは、もちろん現在は解消しているからである。
他のXTZ125にも通用するかは分からないが、参考情報として「ねこちやづけ」の場合の対処方法を記載しておく。
新車時に近い状態のキーシリンダー周り
このような状態から、時々キーの回りが渋くなって一時的に使用不能になることがあった。
一般的に、ハンドルロック部分に力がかかっている(=ハンドルロックがかかった状態で、ハンドルをどちらか切る向きに力がかかっている)と、キーシリンダーの回りが悪くなるが、この場合はそのような力はかかっていない。 単にキーシリンダーの動きが渋いのだ。
こんな時は、一呼吸おいて、回す力を抜いてからもう一度やさしくキーを回してみる。 それでもだめなら一旦キーを抜いて、丁寧にメインキーシリンダーに刺し直してみる。
焦っている時など、強引に左右に回したくなるものだが、ただでさえ動きの渋いキーシリンダー内部のコマが、強引に抜き差し&回転されることで削れ・変形し、更に状況を悪化させるので避けた方が賢明だろう。
このような対処でキーが回ってくれているうちは良いのだが、さすがに通勤用車両としてこのような状況が続く事は精神衛生上芳しくないので、何らかの対処をすることとした。
対処1 鍵穴用の潤滑剤を塗布してみる
潤滑剤としてすぐに思い浮かぶのは、CRC-556などのスプレー潤滑剤だが、鍵穴に使用すると油ベタベタ状態になってキーを入れるポケット等周りを汚すし、埃を呼び寄せるのそうなので避けた方が良さそうだ。 (以前に他車で経験あり)
そこで、ホームセンター等で「鍵穴用」として売られている潤滑剤を注入してみた。 これは埃を呼ばないそうなので期待できる。 あまりたくさん注入すると良くないとのことなので、少しづつキーに塗布してシリンダー内部に入れてみた。
結果 さすがに鍵穴用と謳って販売されているだけあって潤滑性は良好なようだ。 ただ、主な対象は玄関のキーなど住宅向けなようで、「ねこちやづけ」に使用した場合には効果の持続性が薄く度々使用する必要があった。
対処2 シリコーンスプレーを注入してみる
CRC-556等が埃を呼び寄せるので駄目ということなら、「ねこのす」で好んで使用している「シリコーンスプレー」を試してみる。
製品には潤滑・離型・艶出・防錆に使えると書いてある。 撥水性もあるそうで、これまで使用して来た経験からそれほど埃を呼ばないようだ。
早速、シリコーンスプレー付属の細いチューブで「ねこちやづけ」のキーシリンダーのシャッターを押し開け、鍵穴内に直接スプレーしてみた。
結果 予想どおりキーはスムーズに回るようになる。 キーもそれほどべたつかず、埃も付着していないようだ。
しかしキーシリンダーの回りの軽さが、何ヶ月も効果が持続するという訳には行かず、持続性には満足できなかった。
対処3 シリコーンスプレー+テフロンパウダーのあわせ技
シリコーンスプレーで一定の効果は確認したが、より一層の効果を求めて何らかの方法を考える。
「ねこのす」格納庫内にある潤滑に向いたモノというと、潤滑スプレーの他に目立ったところというと、テフロンやカーボンパウダーや極圧剤入りなどのエンジン添加剤、各種グリース類くらいか。 このうちグリースを使うと後始末が大変そうなので止め、手近なところでテフロンパウダーで試してみることとした。
テフロンパウダーについては、一般的に販売されているテフロンパウダーではなく、某オイルメーカーから販売されていた「バイダスルーブ」というスプレー式テフロンパウダー潤滑剤のパウダーを利用した。 なぜならそのスプレーは噴射口がすぐに詰まって、ノズル周りにも潤滑剤が噴出し、スプレー缶上部にテフロンパウダーらしき白い物体が堆積し、あまりの勿体なさからその有効活用法について考えていたから。
そのパウダーをキーに付けてから鍵穴に挿入してからシリコーンスプレーを注入してみた。
結果 なかなか良い結果で、何度かパウダーを付けてシリコーンスプレーを注入した後、キーシリンダーの回りが渋くなるようなことは無くなった。 少なくとも半年以上は効果が持続しており、それ以降は他の対処法について検討・実施していない。
単に機械的に馴染んできた結果、たまたま効果の表れた時期が今回の対処時期に重なっただけかもしれないし、これまでの対処法の影響があったかも知れない。 しかし現在もキーシリンダーの回りの渋さに困っているXTZ125乗りがいたら試してみる価値は有ると思う。
おまけ
「エーゼット製 H,Sシリコーンスプレー」の活用について
「ねこのす」ではシリコーンスプレーをいろいろな用途で多用している。
今回は鍵穴への使用について紹介したので、ついでに「エーゼット製 H,Sシリコーンスプレー」のキーシリンダーへの利用法についておまけで紹介する。
シリコーンスプレーを鍵穴にスプレーすることは既に紹介した?
今回は、スプレーとしてではなく、スプレーのキャップについて利用法を紹介する。
そのため、各種シリコーンスプレーがある中、「エーゼット製 H,Sシリコーンスプレー」と品名指定していたのだ。 別にシリコーンスプレー1年分が届く事を期待していた訳ではないので念のため。
画像の下部、取り外したキャップに注目。
これがXTZ125などヤマハ車の一部等にほぼぴったり嵌るのだ。
(セローなどの強化型キーシリンダーは径が太いのでこのキャップでははまらない。他の各種キャップや他車種の適合についてはそれぞれ調査されたし。)
これがXTZ125のキーシリンダー。 このままではキーホルダー等で、鍵穴周りの表示も削れて消えてしまう。
スプレーのキャップを被せてみた。長期保管時の雨水浸入防止にはなるだろう。バイク泥棒も何か盗難防止装置と勘違いしてくれるかも。(かなり苦しい。)
ある程度の高さでカッターナイフ等で切り取り、上下逆さにして取り付けてみた。 上下逆さにするのはカッター等で適当に切った切断線よりも成型された本来のキャップ端の方がキレイだから。
鍵穴周囲の文字表示が削れて消えるのは(キーホルダー等の選定に配慮すれば)これで防止できる。
以上で「キーと鍵穴について考える」と「そのおまけ」についてを終了する。
もったいぶって紹介した割には、ほとんど役に立たない情報で申し訳ない。
もし同様のことをしようとする奇特な方がいたらキーの抜き差しと回転の障害にならないか、雨水等がキャップ内に溜まって鍵穴に流入しないか確認するように。 刃物を使ってキャップを切断するときは特に注意して作業するように。
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