「ねこのす」>「バイクの巣」>CBR1100XX「ねこにこばん」の部屋>(現在の位置) 整備記録A ブレーキフルードを交換してみた
2008年 7月 最終更新 2008年 8月 1日
突然だが、CBR1100XX「ねこにこばん」にも「ねこのす」恒例行事のブレーキフルード交換の季節がやってきた。
今年は「ブレーキフルード」交換の年なので、「ねこにこばん」も当然フルード類の交換作業を実施することになる。
ブレーキフルード交換作業の実施時期については、一般的なブレーキフルードは湿気を嫌うようなので、梅雨明けの時期に行うようにしている。 もっとも、梅雨が明けたとは言え「ねこのす」の所在地は非常に蒸し暑い地域なので、あまり交換されるフルードにとっては良い環境ではないかもしれない。 それでも梅雨の時期に吸湿して劣化したフルードを早めに交換することができるという意味で、この時期に実施するようにしている。
という訳で、「ねこのす」所在地域にも梅雨が明けたとの発表があり、ブレーキフルード交換作業を開始した。
注意事項
本内容はねこのすで行った作業を記録したもので、正しい方法・手順を保証するものではないので注意。
整備の基本的な内容について不明な場合は、「ヤマハの点検整備について」、お気に入りのホンダのメンテナンス講座等で一度確認をおすすめする。
くどいようだが、今回の内容を参考に作業をする場合には自己責任で行うように。
特にブレーキ周りの整備は非常に重要な箇所なので、自信の無い場合はプロに依頼したり、信頼のおける人の指導・確認を受けるなどされたい。
自分はもちろん、他の人の「命にも関わる」ことなので、その点自覚しておく必要がある。
ブレーキフルードは吸湿性が高いので、雨の日など湿度が高い場合には避けた方が良いと思う。 作業中も水分が入らないように注意。
ブレーキフルードは塗装面や樹脂部品を浸潤させたりするので、もし付着した場合には早急に除去すること。
整備完了後など、ブレーキフルードに水が混入するおそれが無くなった場合には、周囲も含めて水をかけて洗い流してしまっても良かろう。
この時期非常に暑いので、屋外で作業する場合には水分補給を心がけるなど体調管理にも留意されたし。
最後に、このページは他車のブレーキフルード交換作業報告で作成した内容をCBR1100XX用に修正して作成しているので、細かな内容等については基となったXTZ125用のページを参考にされたい。
ひとまず、ブレーキフルードの状況確認。
CBR1100XXは前後連動ブレーキなので、二次マスターシリンダーなど一般的なブレーキシステムとは異なる部分があるので、マニュアル等で作業方法を確認されることをお勧めする。
前ブレーキ系統のフルード交換
交換前の状態。
フルードのリザーバータンク上面が水平になるように(=フルードがこぼれないように)ハンドルを切っておいて、タンクのキャップを外す。
キャップを外し、ダイヤフラム(黒い蛇腹状のゴム)も外す。
ちなみ標準のリザーバータンク一体式とは異なり、ニッシンのリザーバータンク別体式マスターシリンダーに換装してある。
リザーバータンク内の古いフルードを洗浄ビンを使って抜き取ってしまう。
ひとまず新しいブレーキフルードを入れてみる。
キャリパーのブリーダーバルブにホースを接続してからレンチを使ってブリーダーを緩めてみる。
マスターシリンダーのリザーバータンク内のブレーキフルードが空にならないように注意しながら、
@ ブレーキレバーを握る。(握ったまま保持。)
A ブリーダーバルブを緩める。 ⇒フルードがホース内に流れ出る。
B ブリーダーバルブを締める。
C ブレーキレバーを離す。
の@からCを繰り返せば、どんどんブレーキフルードが流出する。
古いブレーキフルードが出尽くして、新しいブレーキフルードが出てくるようになり、作業者が満足したらブリーザーバルブをしっかり締める。
CBR1100XXは前側ブレーキは左右にキャリパーがあるので、もう片方も同様に作業。
こういう作業に併せてブレーキキャリパーのピストン揉み出しを行うと良いかも。
ひとまず、前ブレーキシステムのフルード交換はここまで。
本ページでは、都合上後ブレーキシステムのフルードも同時に交換してしまうが、万一のブレーキシステムの不調に備えて、2系統あるブレーキの片側づつ作業した方が良いだろう。
同時に前後ブレーキが効かなくなったら、それこそ事故必至である。
後ブレーキ系統のフルード交換
CBR1100XXはリアブレーキも油圧式なので、リアブレーキ用マスターシリンダーのリザーバータンクも開放。
「ねこにこばん」はサイドケース用のステーがあるので、若干ノーマルよりも手間がかかる。
同じく洗浄ビンを使って古いフルードを抜き取り。
前側と同じく、後キャリパーもフルードを交換していく。
前側キャリパーの3つあるピストンのうち、中央のピストンが後ブレーキ系統の配管から油圧が来ているので、同様に交換。
同じく前側キャリパーの左側も作業。
後ブレーキ系統のフルード交換は終了。
CBR1100XXは、クラッチも油圧作動式である。 折角なのでこちらもフルード交換。
リザーバータンクの様子。
フルードの交換が完了したら、
再度ブレーキフルードを規定の範囲内になるよう液面を調整・確認して、清掃したダイヤフラムと蓋を取付ける。
再度ブリーダーバルブや、その他の作業したネジ・ボルト類の緩みを確認のうえ、ブレーキが異常なく効くか確認する。
もし、レバーがスカスカになって手応えがなくなってしまったのなら、エアを噛んでいる(=ブレーキライン内に空気が入ってしまった)か、ブリーダーバルブやバンジョーボルト等の緩みが考えられるので、確認。
もしエアが噛んでいるのなら、上記@からCを繰り返してエアを抜く。
エア抜きが完了して、ブレーキがしっかり効くようになったら、ネジ・ボルト類を再度確認して、ブレーキフルードが付着した箇所が無いか確認。 もしあればクリーナーで除くとか、水をかけるなどして除去。
ちなみに、ブリーダーバルブなど、ブレーキフルードが付着していると、後に錆が出たりするので、ブレーキクリーナーで除去した上でシリコンスプレー等で保護してからゴムカバーを装着している。
一通りの確認が済んだら、いよいよ試走となる訳だが、ブレーキを整備した直後ということで、慎重には慎重を期して実施されたい。
当然ではあるが、最低でも
・ 押し歩き中等、実走行前にブレーキを操作してブレーキの効きを確認。
・ 試走はできるだけ、安全な場所を選ぶ。
・ 万一整備したブレーキに異常が発生しても、他のブレーキで対応できるよう、心構えと準備と余裕を持って。
これらはあくまで管理人の場合の心がけだが、作業を実施される場合は、上記心がけの他にも各員で必要な事項を検討のうえ試走にあたっていただきたい。
重要な部位の整備ということで、いろいろ脅し文句も書いたが、実際の作業としては難易度はそれほど高くはない。
前後連動ブレーキやクラッチも油圧式であるので、XTZ125等に比べると作業量自体は多いが。
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