XTZ125 「ねこちやづけ」ブレーキレバーについて考えてみた。
(DT125、CRM250AR、KSRUからの流用確認)

「ねこのす」「バイクの巣」XTZ125「ねこちやづけ」の部屋>(現在の位置) ブレーキレバーについて考えてみた。
内容2008年5月   最終更新2010年08月04日

「ブレーキレバーをグリップに近づける」 

 XTZ125はブラジルで生産されている。
 ブラジルで作られているから、ブラジルで使用される想定の車両であるとは限らないのだが、どちらかというと小柄な日本人向けでないことは確かなようで、一般的な日本向けの他車(二輪車)と比べると各種操作部分(レバーやペダル等)がかなり大きく造られている。
 もっとも、他の輸入車(日本メーカー製の北米・欧州向け逆輸入車や、欧州メーカーの輸入車)に触れた経験からすると、「南米地区だけが特別なのでは?」とも思わないでもないが詳細は不明である。

 とりあえず「XTZ125のブレーキ・クラッチの両レバー、ブレーキ・シフトの両ペダル、共に日本での一般的なサイズよりも一回り大きく造られている。」のは確かであり、これによって一部の小柄な人にとっては、「ブレーキやクラッチのレバーに指が届きにくい。」といった意見があったので、ここでブレーキレバーについてより使いやすくするために検討してみた。


注意事項
 本内容はねこのすで行った作業を記録したもので、正しい方法・手順を保証するものではないので注意。
 整備の基本的な内容について不明な場合は、お気に入りのホンダのメンテナンス講座等で一度確認をおすすめする。
 くどいようだが、今回の内容を参考に作業をする場合には自己責任で行うように。 特にブレーキレバーについては、操作に支障があった場合、運転者本人に危険なだけでなく、周りにも迷惑をかける可能性が大きいので確認作業もより慎重に行っていただきたい。


ブレーキレバーの換装

 ブレーキレバーを小柄な人でも握りやすくするため、グリップに近づけるにあたり方法を考えてみた。
とりあえず考えてみたのは以下の4とおり。
@ レバー間隔調整装置があれば調整。
A タイラップ等を挟み込んでレバーがグリップから遠くへ戻らないようにする。
B 他車用のレバーを流用する。
C 他車用の社外品レバーを流用する。
 なお、レバーそのものを変形させるのは最終手段としてここでは検討しない。

 まず、@について質実剛健かつシンプルイズベストな我がXTZ125「ねこちやづけ」を確認してみてが、調整装置は装備されていないようなので残念ながら諦めることとする。
 続いてAであるが、タイラップの摩耗等問題はあるものの、クラッチレバー等であれば有効な手段であろう。 が、油圧式のブレーキでこの方法を執ると、油圧がかかりっ放し(=ブレーキ引きずり)になるので避けた方が賢明だろう。
 Bについては、ねこのす内に在る何台かのバイクからレバーを借用して流用可否の確認ができるので、挑戦してみることとする。

XTZ125のブレーキレバー周り



DT125R(3FW)からの流用


DT125R(3FW)のブレーキレバー周り
 DT125Rは同じヤマハ製のバイクであり、また排気量も同じことから、互換性について考えるのであれば一番に検討すべきであろう。


 両車のレバーを取り外して比較してみた。
 上がXTZ125用、下がDT125R(3FW)用。
 DT用には調整用のスクリューとレバーを戻すためのスプリングが装備されている。 XTZ用にはブレーキランプ用のスイッチを押す突起がついているのが目立った違いか。


 同じく上がXTZ125用、下がDT125R(3FW)用。


 重ねてみた。 上がDT125R(3FW)用、下がXTZ125用。 やっぱりXTZ125用は少し長め。


 XTZ125のブレーキランプ用のスイッチは赤丸の部分。
 さすがに公道を走るにあたってブレーキランプが点灯しないのは芳しくないので、DT125R用のレバーを使用するのは諦めることとした。 (マスターシリンダーごと交換すれば良いのだが、ここでは検討しない。)



CRM250ARからの流用


CRM250ARのブレーキレバー周り
 同じヤマハ製のDT125Rとの互換性が確認されなかったので、他社製ながらCRM250ARとの互換性を確認することとした。 現在は社外品のショートレバーが装備されている。


 上がXTZ125用、下がCRM250AR用。


 重ねてみた。 上がCRM250AR用(社外ショートレバー)、下がXTZ125用。


 ブレーキランプ用のスイッチを押すための凸部が同じような形状であるため、これは期待できると思ったのだが、

 若干XTZ125用の方がピボット部から凸部までの距離が長く、微妙なところでCRM250AR用のレバーを取付けることができなかった。 凸部の一部を削れば使用できるかもしれないが、今回は諦めることとした。

 ついでにナックルガードの互換性も確認してみた。 ブレーキランプ用の凸部が似たような位置にあることから、適合する可能性が高いと踏んで確認することとした。

 後方がTT250-R用のナックルガードを削ってXTZ125用に使用しているもの。 手前がCRM250AR用のナックルガード。 凸部を避けるような形状となっている。


 で、早速装着してみた。 意外なことに純正のようなフィット感。 ブレーキレバーの操作も可能である。


 画像左側(ブレーキレバー側がホンダCRM250AR用のナックルガード。 右がヤマハTT250−R用のナックルガード。


 ほとんどそのまま装着可能かと思われたが、ブレーキレバーの凸部とナックルガードの凹部が若干接触しているようなので、実際に使う場合には削っておいた方が安心だろう。 まったく無加工で付くとはいかなかったが、ブレーキレバー側については比較的簡単な加工で装着できることが判明した。 ただしクラッチ側についてはセローやTT250R用がそのまま取り付けできるのに対し、ホンダ製は取り付け方法が異なることから、片側だけホンダ製を付けるのはいかがなものかと思われる。


 参考:クラッチレバー側にCRM250AR用のナックルガードを仮装着してみた。 画像下側がTT250-R用のナックルガード。 こちらはそのまま取り付け可能。 CRM250AR用はクラッチワイヤーの部分に取り付け金具を通してピボットボルトとの2箇所で固定するので、金具も移植しなければならなかった。



KSRUからの流用



KSRUのブレーキレバー周り


 上がXTZ125用、下がKSRU用。
 KSRU用の方がレバーが短いもののピボット部付近の形状は非常によく似ている。 KSRU用の方が握りの部分が大きく(グリップ側に)近づくように曲がっているのが判る。


 折角なので裏面も比較。 上がXTZ125用、下がKSRU用。


 ついでに正面側からも比較。 上がXTZ125用、下がKSRU用。


 XTZ125に取り付けてみた。 全く問題なく取り付け、ブレーキ操作ができた。


 KSRU用のレバーを取り付けた状態。 一応、グリップにどれだけ近づくか確認してみたが、数値については大まかな比較しかできなかったので、「かなり間隔が狭くなった気がする。」としておく。

 KSRUのブレーキレバーが適合したので、ついでにクラッチ側も確認しておく。

 上がXTZ125用、下がKSRU用。 ブレーキレバーと同様、KSRU用の方がグリップに近づいているように見える。
 が、ピボットボルトの径が違うので、KSRU用のレバーをそのままXTZ125に使用するのは困難なようだ。



 いろいろ各車のブレーキレバー(とクラッチレバー)の互換性を確認してみたが、ウィキによるとKDX125SR用のレバーが左右とも適合するようなので、素直にKDX125SR用を調達するのが一番簡単なようだ。



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