XTZ125 「ねこちやづけ」 チューブタイヤのパンクについて考える。
(パンク防止剤の有効性について)

「ねこのす」「バイクの巣」XTZ125「ねこちやづけ」の部屋>(現在の位置) チューブタイヤのパンクについて考える@パンク防止剤の有効性について
記事内容2007年09月 (パンク発生とパンク防止剤注入は2006年7月)   最終更新2010年08月04日

 不整地も走行できるXTZ125には標準でスポークホイールが装備されており、当然のようにタイヤはチューブタイプが装備されている。 (一部スポークホイールでも最近のセローやBMW車の一部、ホンダのファラオなどチューブレスタイヤを装備する機種もあるが。)
 不整地走行する際におけるスポークホイールの利点は、その軽量さ、ショック吸収性の良さ等があげられる。 XTZがスポークホイールを装備していること自体に文句を付けるつもりは無いのだが、不整地走行の機会がほとんど無く、通勤を主目的とする「ねこまんま」級にとっては致命的ともいえる欠点があるのだ、それが「チューブレスタイヤが履けない(=装着できない)」という点だ。(チューブレスタイヤの中にチューブを入れて装着するというのは却下。)

 チューブレスタイヤが履けなくて何が困るかというと、パンクした際の対応に大きな違いがあるから。
 「ねこまんま」級の主任務である通勤には、パンクという恐ろしい敵がいる。 正確にはパンクを引き起こす釘や金属片などの異物が路上に待ち受けている。
 万一、管理人が通勤時にチューブタイヤでこんな異物を踏み抜き、チューブに穴を開けてしまった場合、それは即「パンク発生」⇒「遅刻」⇒「一大事」 という事態に発展してしまうのだ。
 これがチューブレスタイヤであった場合、万一異物を踏み抜いてしまっても、空気の漏れる箇所はタイヤに穴の開いた部分だけで、通常それほど多くの空気は一気には漏れない。また、空気が漏れてしまった場合でも、携帯パンク修理キット等で簡単に修復が可能で、空気さえ入れられれば、かんたんに修復できる。 (普段通勤時には給油取扱所の空気入れを借りられる事を前提としており、通常空気入れは携帯していない。)
 この差は通勤を主任務とする「ねこまんま」級にとっては大きすぎる違いだ。
 チューブタイヤを履いたXTZ125と、キャストホイール&チューブレスタイヤ装備の他のバイクとを比べると、まるで防弾装備の無い給油機と、防弾板と防弾タンクを完備した戦闘機ほどの圧倒的戦力差となってしまう。


 もちろん、これらの問題点については、機種選定の時にある程度考慮してあったのだが、その際に考えていた「パンク防止剤」なるものを試用してみることとした。


使用法について
 車両の運用開始直後はパンクすることもなく、そのうち買いに行こうと延び延びになっていたのだが、運用開始後約3ヶ月が経過し、ようやく重い腰を上げて地方都市の用品屋さんまで出向し、調達した。
 使用法自体はタイヤチューブのバルブ部分から中に入れておくだけ。
もったいないので バネ下重量増加をおそれて 前後輪を合わせてボトルの4分の1だけ入れた。 指定使用量の半分以下の量か?



効果について
 このような予防的効果をねらったモノには当然なのだが、本来あって欲しくない事態(今回のページ内容の場合、釘を踏み抜くような事態)が発生しない限りは効果が分からないのだ。 もちろんタイヤに釘をわざわざ撃ち込むようなもったいない事は実施しない。 というわけで、今後そのような事態が発生した後で報告。
 という予定だったが、それは注入後2日目(翌々日)にいきなりやってきた。

 長さ約2センチ位の大きな鉄片が後輪に刺さっていた。 (なぜか管理人にはパンクを引き起こした異物を取っておく習性がある。 この鉄片もどこかに保管してあるハズだが現在捜索中。  ⇒ 鉄片発見。この下に追記)

タイヤに刺さった痕はこんなの。


けっこう大きな裂け目ができてしまった。
実際に内部のチューブまで貫通している穴の大きさは測っていないが、タイヤの強度を考えると交換が望ましい。


パンク時の状況
 それは帰宅時、高架部分の道路でいきなり後輪が横滑りする感覚に襲われた。 実際には気のせいだけではなく後輪が変形して横に滑っていたのだが。
 たまたま運悪く高架部分を通過中であったため、エスケープゾーンや歩道が無く、すぐに路外に退避することが出来ず、そのまま緩減速して低速走行で高架部分を降り、路肩に「ねこちやづけ」を停めた。
 リアタイヤを確認すると大きな鉄片が見事に刺さり、タイヤハウスやその周辺にはつい先日注入した緑色の物体が飛び散っていた。

 さすがに「刺さった鉄片が大すぎて、チューブに大穴が開き、パンク防止効果が得られる限界を超えていたのか?」と思われた。

 気を取り直して対応策を考える。
 チューブレスタイヤでも無く、すっかり空気圧は抜けてしまったので、これ以上空気が漏れる心配をしなくても良い。 これ以上チューブに傷を付けてもらっても困るので車載工具を出して、タイヤに刺さった鉄片を抜く。

 空気圧が抜けきったリアタイヤで何とか走行できないかとも考えたが、さすがにこのままで走るとチューブにトドメを刺しそうなので、すこし先の給油取扱所まで押して行く。 そこで空気入れを借りてリアタイヤに空気を入れてみた。
 たとえ空気の漏れが完全に止まらなくても、空気が抜け切るまでに時間が稼げれば、空気入れのあるところをハシゴして空気の充填を繰り返しながら家まで帰りつけると考えたのだ。

 コンプレッサーから空気を入れてみたところ、最初は緑色の物体が出てきたが、すぐに穴が塞がって空気が入り始めた。 これなら行けそうだ。 いちおうパンク防止剤が穴の部分を塞ぎやすいよう、パンク穴の部分を下側の位置にして空気を入れる。 

 とりあえず空気圧を低めに入れてみた。 あまり空気圧を高くして穴が塞がりかけたチューブを破裂させてしまうのではと心配したのだ。
 タイヤ(チューブ)に空気が十分入ったところで、礼もそこそこに「ねこちやづけ」で自宅を目指す。
 次の空気入れのある場所までは数百メートル。 そこまでは無事に辿り着き、リアタイヤを確認してみるが、空気が漏れている気配は無い。 そこで今度は空気圧を高めに入れてみた。
 暫くリアタイヤの様子を気にしながら走るが、特に問題は無い。
そうこうするうちに20キロ以上を走って自宅まで帰還できた。 リアタイヤには大きな穴(裂け目)が有るが、空気が漏れている様子は無い。
 こうなるとパンク防止剤の効果というものの威力を確認してみたくなる。 もし明日の朝、リアタイヤの空気圧が抜けていたら、予備車を出して出勤すれば良い。 というわけで、結局次の日もそのままXTZを通勤で使用した。 さすがに普段は積んでいない空気入れとチューブタイヤ用のパンク修理キットを携帯し、パンクした場合にも修理できるような時間的余裕を持った上で、リアタイヤの様子に注意しながら走る。
 その後しばらくはこんな態勢で通勤使用していたが特に空気漏れは発生しなかった。

その後
 リアタイヤパンクの件から1年以上が経過し、その後の走行距離も2万キロをまもなく経過する。(2007年9月現在)  それ以降、幸いな事にパンクには襲われていない。
 したがって後輪のパンク穴部分には、パンク防止剤以外のパンク修理措置は取られていない。

 今回の件ではパンク防止剤が予想以上の効果を見せたが、どのようにしてパンク穴を塞いだのか気になっている。 本来ならリアタイヤ交換時にチューブ内部の様子まで確認してから公開するつもりだったのだが、リアタイヤは最後の最後まで使いきろうと考えているので、タイヤが消耗するまで待ちきれず、先にこの件を公開することにした。
 今後、リアタイヤの交換時に、(チューブはもちろん交換予定だが、)タイヤ内面とチューブ穴の様子と、チューブ内部がどうなっているのか調べて報告したいと考えている。
 個人的な予想としては、チューブ単体で考えた場合、パンク予防剤だけで高圧に耐えられるとは考えにくいので、当初同一箇所にあったタイヤとチューブの穴が、パンクしてビートが落ちたことによりズレ、タイヤの穴の部分はチューブの健全な部分が塞ぎ、チューブの穴の部分にはタイヤの健全な部分が塞ぎ、パンク防止剤がそれぞれを接着しているのではないかと考えている。 はたして実際のところはどうだろうか?



結論
 今回のパンクとパンク防止剤の件については、
・注入後2日でいきなりパンクし、
・しかも刺さったのは大型の鉄片で、修復のための条件が悪いにも関わらず、
・見事に空気漏れを止め、しかも約1年間、2万キロ以上もその状態を維持している。
といった「ほとんど宣伝&広告」のような効果を見せた。 自分の体験でなければ「胡散臭い」内容である事この上ない。
 この内容について信じるかどうかは各自にお任せするが、チューブタイヤ装備車両で、パンクすると非常に困る状況にあるバイク乗り達は、一度その効果を確認してみるだけの価値は十分にあると思う。

 管理人は、これまで「チューブ修理時にパッチが接着できなくなる。」などど言って使用を避けてきたパンク防止剤だが、今後はオフ用車両にも使用して効果の確認が出来る機会を増やそうと考えている。


→XTZ125の部屋に戻る


 保存していた鉄片が出てきたので、参考まで掲載。

 刺さっていたのは1円硬貨ではなく左の鉄片。 タイヤに刺さっていた時には錆びていなかった。 当初はタイヤ側の傷が長さ3センチほどあったので、鉄片も3センチほどあると思っていた。 実際には長辺で2センチくらいだった。



→XTZ125の部屋に戻る