XTZ125 「ねこちやづけ」車高を(少し)下げてみた。

「ねこのす」「バイクの巣」XTZ125「ねこちやづけ」の部屋>(現在の位置) 車高を少し下げてみる。
記事内容2006年06月   最終更新2010年08月04日

「シート高を低減せよ!」 

 XTZ125は、非常に乗りやすいバイクである。 そのため、「ねこちやづけ」は管理人の通勤運用の他にも、管理人の知り合いの練習用バイクとして駆り出される機会が多い。
 本来、普通自動車免許で乗ることができる原付一種のDT50等があれば良いのだが、DT50はカタログ落ちしてから久しく、現在ねこのす内には存在していない。

 ねこのすで現在保有している機材の中ではXTZ125が最も初心者に向いていると思われるのだが、若干の問題点がある。
 シート高が意外と高いのだ。 (セロー225よりも高いとは意外。)
 身長に余裕のあるライダーにとっては、もう少しシート高が高い方が足元の窮屈さ解消や最低地上高の関係で有利なのだが、身長が高めではないライダーにとっては、脚が地面に十分に着かず、転倒の恐怖から精神的に大きな障害になる。

 オフロードバイクとしてのバランスなど、車高の高低の是非は置いておいて、初心者が脚が地面に着かないほどシート高の高いバイクで無理して練習するよりも、とりあえず足の着くバイクで練習したいと思うのは当然な要望だろう。
 だいたい管理人が通勤で使う「ねこちやづけ」が練習中に転倒して損傷したら、管理人も困ってしまう。

 そこでねこちやづけを一時的に低車高仕様として改造し、バイクの運転練習のお付き合いをすることとなった。 もちろんいつもの事情により、部品交換や大掛かりな改造は行わない。 各部の調整のみで対応する。


注意事項
 本内容はねこのすで行った作業を記録したもので、正しい方法・手順を保証するものではないので注意。
 整備の基本的な内容について不明な場合は、最近快調なホンダのメンテナンス講座等で一度確認をおすすめする。
 くどいようだが、今回の内容を参考に作業をする場合には自己責任で行うように。


前後サスペンションの調整

 大げさな事を書いたが、シート高を下げるにあたり管理人が思い当たる調整箇所は、
@ シートクッションの厚さ(アンコ抜き)
A フロントサスペンション
B リアサスペンション
 くらいだろうか?

 このうち@、シート自体のクッション厚調整は、間違いなく効果があるのだが、管理人が乗る際に困るので今回は行わない。 予算もないし。
 そこでAとBの前後サスペンションを縮める方法を試みる。

 フロントサスペンションの突き出し量は、標準状態ではこのようになっている。

 フォークのインナーチューブトップ面がトップブリッジ(ハンドルクラウン)と面一である。

 そこで、フォークのインナーパイプを固定しているボルトを一旦緩め、インナーパイプのトップがハンドルに接触する直前までフォークを突き出してみる。

 ハンドルバーに接触するかしないかぎりぎりの所まで突き出しても問題ないようだ。 フォークブーツはあわせて調整。


 画像は前もってブーツを下げておいたもの。 突き出し量を調整後、正しい位置に戻す。

 なお、もし同様の作業をする際には、左右のフォークを一度に緩めないように。(車体が一気に前屈してしまう。)
 万一に備え、車体の下にメンテナンススタンド等を入れておくと良いとは思うが、管理人が作業した限りでは、フォークの片側づつ調整すれば、特にスタンド等は必要なかった。

 これでフロント側は約30ミリメートル車高を下げることができた。 ただしこれだけでは車体が前屈しただけで、車体のバランスが崩れてしまう。

 そこで、リアサスペンションを調整するのだが、あいにくXTZ125のリアサスペンションは車高調整機能は装備されていない。

 何もしないよりはと、プリロードを抜いてみる。 車載工具のレンチで画像のリアクッションユニットのプリロードアジャスター(画像でスプリング上部の金色っぽい部品)を右に回す。 画像では一番右まで回しきった状態。 ちょっと回しにくいが、ゆっくり考えればエアクリーナー等は外さず、そのままの状態で回す事ができるはず。 とりあえず、初期荷重が最弱になるよう調整。

 この程度でどれくらい効果があるのか確認してみた。

調整前


調整後

 (前側はフォークのトップ、後側はリアタイヤとサイドカバー・マフラーの隙間に注目されたい。)
 意外なことに、結構車高が下がったように見える。 フロントのフォーク突き出し分は当然フロント側が下がるのだが、リアが思ったよりも下がっている。 たまたまサスが縮んだ時なのだろうか。

 撮影時のモデルさんは身長公称で約154cm。 調整前は足がつま先しか着かなかったが、調整後は両足の靴底の一部が着くようになった。 僅かな違いなのだが、本人にとっては精神的に大きな違いのようだ。

 とりあえず、僅かながらシート高は下げることができた。 サイドスタンドの傾きも許容範囲内で問題なし。
 当初目的の練習走行を実施。

 サイドスタンドでの駐機状態。 特に「立ち」が強くなるわけでもなく問題なし。

 参考まで、


 ねこちやづけトップページ等で使用していた、これらの画像も、実は低シート高状態なのだった。
(パニアケース等の荷重により、さらにシート高が下がっている。 さらにこの状態で二人乗車かつオフロード走行などあまり車体にやさしくない運用を行っている。)

 その後、ねこちやづけを練習で使用する機会も減少し、前後サスペンションは元に戻されたのだが、その際もサスペンションその他に特に問題が発生していないところを見ると、今回のような微妙な調整だけではXTZ125には支障ないようだ。
 管理人としては、今回の件はXTZ125の許容範囲の大きさが現われたものと考えている。

今回のまとめ

 XTZ125のシート高については、上記のような簡易的な方法で良ければ、簡単に3cm程度シート高を下げることができた。
 もし、XTZ125に乗りたいと考えているが、シート高が高く、問題だと思っている人がいるなら、3cm程度の厚さの板を足元に置いてからXTZ125に跨ってみたらどうだろうか。
 もし足が着くようになれば問題解決だし、もし届かなくても、さらにシートのアンコ抜きを追加で行えばさらにシート高を下げることができる。


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 なお、今回のモデルさんはXTZ125での練習後、中型自動二輪免許と大型自動二輪免許を一気に取得し、現在はGLに乗っている。(→ 2010年現在、ドカティのモンスターに乗っている)
 ねこちやづけ(と管理人)も練習に協力した甲斐があったというものである。
 (もちろん本人の努力が一番重要なのは言うまでもないが。)


 初心者が見栄を張って高価なバイクを購入し、すぐに転倒してXTZ125の新車価格を上回る修理代等を支払うといった話も度々聞くので、バイクの運転を練習したい人(特に運転に自信がない場合)には、XTZ125等練習用バイクの購入費用が(修理代と比較して)決して高くないと思われることだろう。
 また、XTZ125等は維持費も安く、運転に自信が付いた後、本命のバイクを導入したとしてもXTZ125は良い相棒となってくれるに違いない。





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