XTZ125 「ねこちやづけ」
3年5万キロメートルを振り返ってみた。

「ねこのす」「バイクの巣」XTZ125「ねこちやづけ」の部屋>(現在の位置) 3年5万キロメートルを振り返ってみた
記事内容2009年03月    最終更新 2010年08月04日

3年5万キロメートル走行したあとで振り返る

 2009年3月末時点で累計走行距離が50,000キロメートルを越えた我がxtz125「ねこちやづけ」。
 管理人としては125ccクラスの最も美味しいところを賞味させていただいているつもりである。
 世間では「原付二種」「ピンクナンバー」などと呼ばれる125ccクラスのバイクであるが、
・絶対馬力が控えめなところから部品の消耗は少ない。
・燃料消費率も少なく環境にやさしい。
・日本国内での話になるが都市部の交通の流れをリードすることも十分可能。税金も安い。自賠責保険も安い。任意保険にいたってはファミリーバイク特約で125ccクラスは何台持っていても同額。
 といった美味しさが満点である。
 なぜ日本国内ではこんなに美味しい125ccクラスを楽しまないのか?
 本当に125ccクラスはおいしいのか?
 それとも単に管理人がおかしいのか?

 ヨーロッパなどでは125ccクラスは四輪自動車免許で乗れるとか聞くが非常に人気があるクラスのようで、以前からいろいろ魅力的な車種が存在していた。ヤマハについて言えばYZFやWRなど日本では簡単には手に入らない車種もヨーロッパでは販売されている。
 そんな国内の125ccクラスではあったが最近はホンダが新型スクーター、カワサキが新型デュアルパーパスを発表するなど見直されつつあり非常に喜ばしい。
 「世界で販売するついでに日本国内でも販売するだけだろう」といった醒めた見方もあるだろうが、リッターバイク等の非日常的バイクに偏りすぎた国内にも日常使える・基礎となるバイクが登場することは素直に喜ばなければならないだろう。

125ccクラスのうまみについて

 先にもあげたが、125ccクラスの「うまみ」の一つとして維持費が安いとか言われるが本当のところはどうなのか?
 125ccクラスを所有・運用するとどのような事が起こってどのような事が起こらないのか?
 既に他のクラスの自動二輪車を所有している場合は、そのバイクですべてを賄った方が有利なのか?乗り換えるべきなのか?それとも125ccクラスを増車した方が有利なのか?
 管理人も「ねこちやづけ」導入にあたってはその辺について考えに考えた(つもり)の結果が今の状況である。
 もちろん管理人の考え方や状況が一般的な良い子の皆様と同じであるとは思っていないが、管理人の記録について紹介できる内容をこれから勝手に書いてしまう。参考になるのかどうかはいつものとおり各自で判断されたい。


管理人の運行管理の方法について

 管理人は車両を運行する際、走行距離等の記録を残している。
 方法はその日の使用後に日付・走行距離・給油量・経費等をメモしておくだけである。
 車内に雨が降っても濡れない保管場所が豊富にある四輪車と違い、バイクにはメモ帳を置いておけるスペースがあまり無い。もしあってもメットインスクーターでもない限り非常に使いにくい。
 という訳でバイクについては「紙のノートを車内に保管」方式ではなく、パソコン上の表計算ソフトを使って管理している。

 画像はとある時期の「ねこちやづけ」の運行記録。
 一日の走行後に、累計走行距離、給油量、整備内容、その他かかった経費等を表計算ソフト入力するとトリップ、燃費、これまでの経費、前回のオイル交換後の走行距離等が分かるように表が組んである。

走行距離の増加率について




 画像は「時間(年間)-累計走行距離」のグラフである。紺色の折れ線が累計走行距離を示している。
 一枚目の画像が1年目、2枚目が2年目、3枚目が3年目である。
 この3年間は通勤を主として運用されており、平日には1日あたり約60キロメートルの走行を続けていた。
 たまにグラフが平坦になっているのは休暇を取ったりして「ねこちやづけ」で走行しなかったりした場合である。逆にグラフの傾きが大きくなっているのはたいていツーリング出かけるなどしている場合である。
 たまに吹き出しがあるのは、ツーリングに出かけたり休暇でしばらく乗らなかったりした場合のメモである。
 3年目のグラフの真ん中あたりに走行距離が一気に増加している部分があるが、東北-北海道ツーリングに出かけて走行した部分である。
 こうしてグラフを見てみると、ほぼ一定の傾きで走行距離は増加しており、黒い点線で引いた補助線によって今後の走行距離の予想ができる。
 また正月や盆休み、他車でのツーリング中などを除き一定の距離を走り続けており、故障や不調で長期運行不能となっている状況が無いこともわかる。
 なお、3年目の終盤にグラフの傾きが大きくなっているのは、3年5万キロメートルの達成に向けてスパートをかけたためである。たぶん。

燃料関係について


 画像は「走行距離-燃料消費率」のグラフである。
 サイト「ねこちやづけの部屋」の方で公開しているグラフを単純に折れ線グラフ化したもの。
 普段の運行記録表ではこの折れ線グラフが自動で作成されるので、燃費の推移を容易に確認できる。
 燃費はグラフを見てわかるとおりガソリン1リットルあたり約50キロメートルを走行している。
 ちなみに5万キロメートル走行時点での実質燃料消費率はガソリン1リットルあたり50.67キロメートルとなった。
 なお途中燃費に影響を与えると思われる主な変更として、
・10,082キロメートル時にドライブスプロケットを14Tから15Tに変更。
・30,260キロメートル時にドリブンスプロケット48Tから43Tに変更。(ドライブスプロケットは14Tに戻した。)
を行っている。
 「ねこちやづけ」の燃費とタンク容量(10リットル以上)はガス欠の心配をする必要が無いという点でとてもありがたい。
 また、燃費も安定しており、走り方によって極端に悪い数値が出ることもない。安心して航続距離の計算ができ、夜間の長距離ツーリング時など給油ポイントの選定も余裕を持って可能である。
 もちろん燃費を気にして走れば良い数値が出るし、燃費を気にせずに走ればそれなりの数値が出るが、他車のように良いときと悪いときの数値が大きく違う車種に比べれば非常に「落ち着いた」燃費だと思う。
(ちなみにAR燃焼を使うCRM250ARや極端にハイギャードなムルティストラーダは流して走った時と飛ばした時の燃費が極端に違う。)

 参考まで上記燃費計算の基となった数値について...
初回燃料給油(満タン)が走行累計79キロメートル。
走行5万キロメートル突破後最初の燃料給油(満タン)が走行累計50,041キロメートル。
実質走行距離50,041−79=49,962キロメートル。
それまでの総給油回数が126回、初回の満タン給油を除いた実質燃料消費量986.00リットル。(ちなみに費用は131,394円)
よって49,962/986=50.67(キロメートル/リットル)となった。

エンジンオイル関係について

 5万キロメートルを走行する間にエンジンオイルを交換した回数は19回。
 そのうち1回はクラッチ周りの整備とあわせて実施した際にクラッチ内のスチールボールを入れ忘れたのでエンジンオイル交換後全く走行することなくオイルを交換した(非常にもったいない。良い子は真似しないように。)ため、実質的には20回の交換を行っている。
 5万キロメートル走行の間に20回オイル交換を行ったので、平均では2,500キロメートルごとにオイル交換していることになる。
 管理人としてはそれほど厳密にオイル交換周期を気にしているわけではないので平均2,500キロメートルごとオイル交換していたという結果には驚いている。
 実際には5,000キロメートルほど交換しないこともあるし、クラッチ整備などにあわせてそれほど距離を走っていないのに交換してしまう場合もあったのであくまで平均値である。
 エンジンオイルの種別については、自分で交換する際は量販店で一般的に売られているモノ(激安品)で、二輪車販売店で交換を依頼する場合には販売店で使用している一般的なモノ。
 自分で調達してきたオイルは超激安品なので、他の人の参考にはならないと思うが、約5万キロメートルを走行してエンジンオイル関係でかかった経費は13,638円。
 オイル交換20回のうち、13回を自分で交換し、7回を販売店に依頼して実施している。
 経費の中には7回分のオイル交換工賃も含んでいる。(自分で交換した分は工賃0である。)
 なお、購入し支払済のオイルのうち8リットルを残しているが、その分の費用も含んだ額となっている。

 XTZ125のエンジンオイルの容量は1リットル。(個人的にはエンジンオイルを若干少なめにするのが好みだが、不調を招くおそれがあるので良い子は真似しないように。)
 オイルフィルターの交換も必要が無いので非常に安価に交換ができる。
 交換方法も簡単なので自分で交換すれば工賃もかからない。
他の大型車等に比べれば非常に安価に乗ることができるのは間違いない。

クラッチ周り整備関連について

 5万キロメートルを走行する間にクラッチ側のエンジンカバーを開けたのは13回。

 ちなみに5万キロメートル達成直後にエンジンオイルフィルターを確認のため交換しており、これが14回目になる。
 本車を導入した当初からクラッチの異音・ジャダリングについては悩まされていたが、他のXTZ125ユーザーの話を聞く限りではすべてのXTZ125に発症する訳ではないようだ。
 しかしながらある年式の一定割合の個体にクラッチの問題は発生しているようで、クラッチがXTZ125の弱点と言われる所以である。
 個人的には治具関係か加工手順・管理あたりに問題があるのかとも思ったが、実際のところ詳細は不明。
 最近製造されている個体には発症しているといった話も聞かないので何らかの対処がされたのかも。
 ところで、以前はクラッチのジャダーといえば「古いドカティ」で、「ジャダーが出るクラッチを使いこなせるのは上級者」といったイメージが有ったような気がする。
 最近はクラッチのジャダーなんて知らないライダーがほとんどなのだろうが、おっさんとしては少し寂しいと思うトコロである。(もちろん最近のドカティはクラッチも素晴らしいので念のため。)
 最後になったが付属の表はクラッチ側のクランクケースカバーを開放した際の記録。何度もクラッチを開けては試行錯誤していたことがわかる。
 その中にはプッシュロッドを押すスチールボールを入れ忘れたりといった苦労もあったが、今となっては懐かしい思い出である。
 詳しくはサイト「ねこちやづけの部屋」まで。

その他の整備と改装関係について

 導入後から5万キロメートル走行の間に行ったオイル交換やクラッチ周り以外の整備改装関連について。
あまり故障や不調が発生していないので書く内容がない。
 整備内容については、http://www.geocities.jp/rcxfw053/bike/xtz125_0402.htmlに記載してあるので、参照していただきたい。
 主な流れとして、
導入直後、キャリアやエンジンガードを取り付け。
エンジンガードについては気分によって装着したり外したり。
GIVIのトップケースのアタッチメントベースを取り付け、通勤運用での利便性が格段に向上した。後にクラウザーのシステムK2と換装したりするが長距離ツーリングでサイドケースを含めて使用する場合はクラウザー、普段の通勤使用時はGIVIのトップケースのみ使用している。
車高を一時的に下げたがしばらくして元に戻している。管理人的にはもう少しシートが高い方が良いのだが、国内で一般的にはもう少しシートが低い方が好まれるのだろう。
タイヤパンク防止剤については注入直後に後輪がパンクし、そのまま空気を入れて使用。更に2万キロメートルほど走って再度パンクし修理している。
バッテリーの交換は1回。
クランク軸のオイルシール交換。
ステムベアリングのグリスアップ。
前後ホイールのリムはアルミ製に交換している。
タイヤは後1回交換。
ドリブンスプロケットは1回交換。
ドライブスプロケットは1度TZR125用の中古に換装したが、しばらくして元に戻している。
フロントフォークのオイル交換1回。
フロントホイールのニップルが折れ、交換。
スターターのOリング交換。
あと、リアブレーキのストップランプ用スイッチを引くスプリングが破断。自前のワイヤーにて複製をつくって代用したが同じ箇所が破断。もともと応力が集中する形状なので熱処理等が上手くいっていないと直ぐに壊れてしまうようだ。自前で針金を巻けば複製は簡単なのだが、形状を変更する等の根本的な対策が必要なのかも。
チェーン注油器は簡単な作業で意外に効果的である。
 その他細かな給油や作業は行っているが、あまり手がかかっていないと思っていたXTZ125にも結構手を入れていたという感想である。

経費等について

 おおよその数値になるが参考まで。
 各費用は管理人が支払った際のもので、現在では価格が変動していたり既に販売されていないものもあるかもしれない。
 管理人が特価品で購入してきたようなものは似たような価格で購入できるとは限らない。
(単位は管理人が使用する通貨単位)

車体とキャリア・エンジンガードを含めて31万程度。
その他盗難保険や自賠責等を含めて乗り出し37万程度。(自賠責は5年分で加入したため5年分で計上している。)
燃料経費は13万少々。
オイル経費で1.3万ほど。(交換依頼した場合は工賃含む。購入済未使用オイルが何リッターか残っているが含む。)
 その他主な補修関連で
Oリング(クランク軸オイルシール)243
クラッチスプリングTT-R125用504
プラグ409
ブレーキパッド前1600
フォークオイル1417
スプロケ(43T)2677
ドライブチェーン2218
リアのリム850
後タイヤ4900
ステンレスワッシャ50
セルモーターのOリング136
前ホイールリム650
ニップル1個69
クラッチプレート4070

他に
パンク予防剤2940
自作チェーンオイラーステー230
 といったところか。
 なお、グリスやシリコンスプレー等の他車と共有している油脂類は計上していない。
ガスケットやニップル等は予備部品を購入しているが、未使用部品についても計上していない。

最後にまとめ

3年で5万キロメートル(50,042キロメートル)走行の間にかかった経費の表。


 である。
 ちなみに未使用分のオイルや未経過の自賠責保険の費用が含まれている。 また、任意保険については含まれていない。

 一度通勤・通学等の交通費と比較してみてはいかがだろうか?








ブログの内容をまとめるつもりでポチポチ書いていたら、予定外の方向に話が進んで収拾がつかなくなったので多分まだ続く。

参考ページ
2009/9/30(水) 午後 11:24 3年5万キロメートルの経緯 その1
2009/10/1(木) 午後 11:44 3年5万キロメートルの経緯 その2
2009/10/12(月) 午後 8:42 3年5万キロメートルの経緯 その3 燃料関係
2009/10/22(木) 午前 0:07 3年5万キロメートルの経緯 その4 エンジンオイル関係
2009/10/30(金) 午後 10:51 3年5万キロメートルの経緯 その5 クラッチ格闘関係
2009/11/2(月) 午前 0:03 3年5万キロメートルの経緯 その6 その他整備と改装関係
2009/11/11(水) 午後 8:42 3年5万キロメートルの経緯 その7 経費関連



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