「ねこのす」>「くるまの巣」>BEAT「ねこにまたたび」の部屋>(現在の位置) 整備記録A ブレーキフルード類を交換してみた
2008年 7月 最終更新 2008年 7月21日
「ねこにまたたび」の運用が開始されてから数年が経過したが、今年も「ねこのす」恒例行事のブレーキフルード交換の季節がやってきた。
恒例行事とは言っても、適当な時期に「ブレーキフルード」か「冷却水」を各車まとめて交換するだけなので、特に楽しい行事ではない。
ブレーキフルード交換作業の実施時期については、一般的なブレーキフルードは湿気を嫌うようなので、梅雨明けの時期に行うようにしている。 もっとも、梅雨が明けたとは言え「ねこのす」の所在地は非常に蒸し暑い地域なので、あまり交換されるフルードにとっては良い環境ではないかもしれない。 それでも梅雨の時期に吸湿して劣化したフルードを早めに交換することができるという意味で、この時期に実施するようにしている。
という訳で、つい先日「ねこのす」所在地域にも梅雨が明けたとの発表があり、「ねこにまたたび」もブレーキフルード交換作業を開始した。
注意事項
本内容はねこのすで行った作業を記録したもので、正しい方法・手順を保証するものではないので注意。
整備の基本的な内容について不明な場合は、「ヤマハの点検整備について」、お気に入りのホンダのメンテナンス講座等で一度確認をおすすめする。
くどいようだが、今回の内容を参考に作業をする場合には自己責任で行うように。
特にブレーキ周りの整備は非常に重要な箇所なので、自信の無い場合はプロに依頼したり、信頼のおける人の指導・確認を受けるなどされたい。
自分はもちろん、他の人の「命にも関わる」ことなので、その点自覚しておく必要がある。
ブレーキフルードは吸湿性が高いので、雨の日など湿度が高い場合には避けた方が良いと思う。 作業中も水分が入らないように注意。
ブレーキフルードは塗装面や樹脂部品を浸潤させたりするので、もし付着した場合には早急に除去すること。
整備完了後など、ブレーキフルードに水が混入するおそれが無くなった場合には、周囲も含めて水をかけて洗い流してしまっても良い。
この時期非常に暑いので、屋外で作業する場合には水分補給を心がけるなど体調管理にも留意されたし。
ひとまず、ブレーキフルードの状況確認。
「ねこにまたたび」は累計走行距離は約8万8千キロメートル。
スペアタイヤの手前にある灰色の蓋の半透明白色容器がブレーキフルードのリザーバータンク。
ブレーキフルードのリザーバータンクのアップ。
ブレーキフルードのリザーバータンクを開けてみた。 フルードが劣化して茶色くなっている。
とりあえずフィルターに残っている汚れごと劣化したフルードを吸い取る。
外したフィルターとリザーバータンク内を清掃。
とりあえず新しいブレーキフルードを充填。
キャリパー側から劣化したフルードを抜き取り開始。
折角なのでキャリパーを外して揉み出し。
パッドの様子。
幸いまだ使用に堪える状況。
ピストンのダストシール内部に潤滑。
揉み出し。
バイクと違ってピストンを戻すのにピストン戻し器を使わなければならない。
キャリパーのブリーダーバルブから劣化したブレーキフルードを抜き取る。
本来なら二輪と同様に、ブレーキペダルを踏んでからブリーダーバルブを緩め、フルードを抜いてからブリーダーバルブを締め、ブレーキペダルを放す。 詳しくはXTZ125のページを参照していただくとして、今回は簡易吸引でブレーキフルードをキャリパー側から吸引する方式も併用した。
ブリーダーバルブに接続したホースに圧を抜いた洗浄ビンを接続するだけ。
簡単にブレーキフルードを吸引することができる。
他のキャリパーからもフルード抜き取り。 画像は左側前輪。
左側後輪からもフルード抜き取り。 画像では分かりにくいが、作業時には古いフルードと新しいフルードの色の違いが分かる。
同じく右側後輪。
とりあえず、ブレーキ側は完了。 続いてクラッチ系統のフルード交換。
画像左上の小さめのリザーバータンクがクラッチ系統のもの。 よく言われることだが、クラッチ系統に使用するフルードは一般的なブレーキフルードを使用。
クラッチのスレーヴ側はエンジンルーム内。
いろいろあるディストリビューター(以下デスビ)のすぐ画像左(車両では後方側)にブリーダーバルブがある。
ホース接続が困難なため、デスビキャップを外してみた。
リザーバータンクを清掃。 汚れごと古いフルードを洗浄ビンで吸引。
キレイになった。
ひとまず新しいブレーキフルードを注入。
ホースを接続して、簡易吸引方式で古いフルードを抜き取る。
ちなみに、運転席に座ってクラッチペダルを踏み込み、後ろに手を伸ばして画像のメガネレンチを動かしてブリーダーバルブを緩めてフルードを抜き、再度メガネレンチを動かしてブリーダーバルブを締め、クラッチペダルを放すという普通の方法も併用。
あたらしいフルードを規定量注入。
作業終了後にはしっかり確認を行って完了とした。
ついでに、折角エンジンルームを開けたので、ビート乗りならデスビを確認。
キャップ内。
デスビ内。
一通りの確認が済んだら、いよいよ試走となる訳だが、ブレーキを整備した直後ということで、慎重には慎重を期して実施されたい。
当然ではあるが、最低でも
・ 実走行前にブレーキを操作してブレーキの効きを確認。
・ 試走はできるだけ、安全な場所を選ぶ。
・ 万一整備したブレーキ(今回の場合は主ブレーキ)に異常が発生しても、他のブレーキ(今回の場合はサイドブレーキやエンジンブレーキ等)で対応できるよう、心構えと準備と余裕を持って。
これらはあくまで管理人の場合の心がけだが、作業を実施される場合は、上記心がけの他にも各員で必要な事項を検討のうえ試走にあたっていただきたい。
重要な部位の整備ということで、いろいろ脅し文句も書いたが、実際の作業としては難易度はそれほど高くはない。
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